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その石に遭遇したのは数年前の正月、東尋坊にある土産物屋でした。
その店は観光地で時折見かける化石やパワーストーンを売っている店で、その時も直径3cmほどの、ちょうど握りこめるサイズの石を山で売っていました。
元々パワーストーンを見るのが好きなのですが所持はしていなかった為、新年だし一つ購入しようと選別を始めました。そこに積み上げられていた石はみな猫目石のような光沢を持っていて、それに何処か引かれたのも理由でした。
そうしてあれこれと手に取っているうちに、気づけば何故か左手にしっかりと深い青緑色の石を一つ握っていたのです。あれ?と首を傾げて手から離したものの、何故か気になってもう一度手に取り、他の石を選ぼうとまた離しては握り直しと繰り返して、最後にはその石だけは手放せないままになってしまいました。
過去にも石関連でそういった事があったし、これはもしかして呼ばれているのか、連れ出せと言われている気もしてその石を購入、帰宅の途についたのですが、東尋坊を出た途端吐き気が催して、握り締めていたはずの石が手の中で震えたような気がしたのです。
改めてみれば猫目というよりも蛇目のような光沢の石で、その石に感じることと言ったら『触るな、離せ』というような拒絶ばかり。少々の勘がある程度の私にも解かるくらいのものに、これはとんでもない物を見つけてしまったと早々に後悔する羽目になりました。帰宅してからも体調は戻らず、何となく水に沈めて置いては見たものの相変わらずの拒絶をされ続けて、途方にくれた私はそういった現象に詳しい知人たちを頼ることに。
知人たちに見せて話をした結果、恐らくこの石に憑いている、あるいは宿っているものは山中の湖沼に棲んでいたものだろう、という事でした。このまま持っていても状況は悪化するけれど、誰も石をどうにかする手段を持っておらず、近隣の寺社に預けるのも難しい。そこで知人の一人の提案で、文殊山の霊験に頼ってみてはどうかという話になりました。他に手立ても持たないので私もそれに賛同し、後日知人二人と共に文殊山へ向かい、奥の院まで向かって院のそばに埋めさせてもらいました。
以降体調も戻り、異常もなく生活を続けています。
今あの石がどうなっているかは解かりませんが、この経験から、何を引くか解からないという事でパワーストーンに触る事はなくなりましたw
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