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皆さんは、「ばばされ」という話をご存じですか?
私がまだ小学生の時聞いたお話です。
昔、山奥に一組の老夫婦が住んでいました。
12月も半ば、雪の日のことでした。
誰かが玄関の戸を叩く音が聞こえました。夫婦は急いで玄関に向かい、驚きました。
この大雪の中、一人の女性が戸口の前に立っていました。その女性は夫婦に「一晩で良い。泊めていただけませんか?」と頼みました。2人は顔を見合わせて悩んでいましたが、不意に旦那が女性に問いました。「あんた、金は持ってるのかい?」
女性は困った顔をして首を振りました。
「それじゃあ、泊められないね。」
夫婦は言うと、女性を追い出してしまいました。
その日の夜。
夫婦が床へ付こうとしたとき、不意に部屋の窓を叩く音がしました。
奥さんが確認しましたが、外には誰にもいませんでした。
一時して又、窓から音がしました。
夫婦の寝室は三階。
「どうせ鳥か何かだろう。放っておきなさい。」
夫は無関心に言い、寝てしまいました。
一時して又、窓を叩く音がしました。
奥さんは気味が悪くなり、窓に掛かってたカーテンを開け、
・・・・・・叫びました。
夫がビックリして起き、異変に気が付きました。
窓が開いていました。
夫は窓を閉めるため起きあがり、窓の下を覗きました。
───次の日。雪がすっかり止んだ朝。警察が夫婦の家にやってきました。
夫婦の寝室には、心臓だけえぐり取られた死体が2つ、転がっていました。
そして、寝室の窓の下。積雪の中から、白骨化した女性の骸が見つかりました。
・・・・・・この話を聞いてから三日間。
どの日かの夜、窓を叩く音が聞こえる。
その時は堅く目を閉じて絶対に目を開けちゃいけないよ。そして、心の中で『ばばされ』と三回唱えるんだ。
絶対、窓を叩く音に釣られ、窓に触れてはいけない。絶対だよ。いいね?
もし、窓にふれてしまったら?
さあ?どうなるんだろうね?
私は、半信半疑でその話を聞いていました。
どうせ嘘話だろ、と。
次の日の夜。
十一時過ぎだったでしょうか。窓を叩く音が聞こえました。
どうせ風か何かだろうと思い、放っていたのですが、次第に音が大きくなり始めました。
私は恐くなり、「ばばされ」の最後を思い出しました。
「ばばされ、ばばされ、ばばされ!!」
私は無我夢中で呟くと、ぎゅっと目を瞑りました。
それ以降のことは覚えていません。
もしかしたら、これは「ばばされ」の仕業なのでしょうか。
何も分かりません。
この話を信じていなかった私の友達が、次の日から学校に一度も来なくなり、
その友達とはもう10年も会っていないのです。
ただ一つ言えること。それは、
「絶対に窓に触ってはいけない」ということだけ。
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